文献詳細
今月の主題 水電解質・酸塩基平衡の調節とその異常
疾患と水電解質・酸塩基平衡の異常
糖尿病にみられる水電解質・酸塩基平衡の異常
著者: 海津嘉蔵1 小嶺憲国2
所属機関: 1産業医科大学腎センター 2産業医科大学産業生態科学研究所人間工学教室
ページ範囲:P.1929 - P.1931
文献概要
●糖尿病性ケトアシドーシスでは,インスリンの欠乏とカウンターホルモンの上昇により高血糖,アシドーシスが生じ,浸透圧利尿により水電解質が大量に失われる.治療は,インスリン持続静注と輸液(Kを含んだ生理食塩水)が中心となる.
●乳酸アシドーシスをみる機会は少ないが,糖尿病患者はいくつかの発症危険因子(酵素活性の低下,angiopathy・腎障害の合併)を持っている.
●IV型RTAは低レニン性低アルドステロン血症,高K血症,高Cl性代謝性アシドーシスが特徴である.低レニン血症にはいくつかの機序が考えられている.治療には,K制限,体液量コントロール,K+吸着レジン・重曹投与などがある.
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