icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina32巻1号

1995年01月発行

文献概要

薬を正しく使うためのDrug Information—副作用について・13

抗ウイルス薬によるショック

著者: 大槻マミ太郎1 玉置邦彦1

所属機関: 1東京大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.199 - P.201

文献購入ページに移動
抗ウイルス薬の副作用とその報告例
 抗ウイルス薬によるショックというと,ジドブジン(AZT)その他の抗HIV治療薬によるものも含むが,ここでは皮膚科の日常診療上使用する機会の多い抗ウイルス薬であるアシクロビル(ゾビラックス®)とビダラビン(アラセナーA®),中でも副作用としてショック症例の報告のあるそれらの注射剤に絞って述べることにする.
 アシクロビル(ゾビラックス®)は,1979年に合成されたプリン骨格を有する抗ウイルス薬で,ヘルペスウイルス特異的チミジンキナーゼによるリン酸化により活性化されてウイルスのDNAポリメラーゼ阻害作用を発揮するため,正常細胞にはほとんど作用しない選択性の高い薬剤と考えられ,臨床で広く使用されている.単純ヘルペス感染症および水痘・帯状疱疹ウイルス感染症に対して効果があり,1985年に注射剤と眼軟膏が,そして1988年には錠剤が承認された.錠剤は当初単純ヘルペス感染症についてのみ承認されていたが,1992年には水痘・帯状疱疹ウイルス感染症に対しても承認され,1錠中400mgを含む剤型が追加され,さらに1993年には単純性疱疹に対して眼軟膏に加え5%軟膏が承認されており,その使用頻度は年々増加傾向にある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?