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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻10号

1995年10月発行

文献概要

今月の主題 見えてきた腎疾患 病態の解明されつつある腎関連疾患

家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症

著者: 中林幹雄1 五十嵐徹也1

所属機関: 1東京大学医学部第4内科(分院)

ページ範囲:P.2033 - P.2037

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ポイント
●家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症(familial hypocalcemic hypercalcemia:FHH)は高カルシウム(Ca)血症と相対的な低Ca尿症を特徴とする無症候性の良性疾患である.
●細胞膜上のCa受容体に機能異常があり,血中Ca濃度の変化に伴う副甲状腺からの副甲状腺ホルモン(PTH)分泌と腎尿細管でのCa再吸収の調節が障害されているために起こる.この遺伝子上の変異が数家系について確認されている.
●G蛋白供役細胞膜受容体スーパーファミリーに特徴的な構造をもつCa受容体の発見は,本疾患の病態を明らかにしたばかりでなく,Ca代謝の調節の場である腎と副甲状腺における生理学,さらには細胞外調節因子でもあり,同時に遺伝子発現調節因子ともなるCaシグナルがどのように伝わるのかを解く重要な鍵となろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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