文献詳細
文献概要
今月の主題 脳卒中 脳卒中急性期の診断・治療の新展開
急性期脳卒中の重症度診断と予後—Stroke scale
著者: 寺山靖夫12
所属機関: 1清水市立病院神経内科 2前慶應義塾大学医学部神経内科
ページ範囲:P.2248 - P.2252
文献購入ページに移動●Stroke scaleとは脳血管障害患者の経過観察や治療効果の判定のために,重症度や予後などを客観的に評価する方法で,その目的のために各評価項目について採点を行い,これを集計して総合的な評価を行うscoring systemをいう.
●Stroke scaleは大きくphysical deficit scale(またはstroke impairment scale)とfunctional scaleの2つに分けられる.
●Stroke scaleに具備されるべき必要条件にはreliability(信頼性),validity(妥当性),responsiveness(or sensitiveness,反応性または感受性)などがあるが,特に神経学的所見の定量化が問題となり,現時点ではこれらの条件を完全に満たしているscaleはない.
●理想的なscaleの開発は脳血管障害の診断および治療薬の薬効判定には重要で,特に治療の分野での大きな進歩を導きだす可能性がある.
掲載誌情報