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増刊号 Common Disease 200の治療戦略 循環器疾患
うっ血性心不全
著者: 芹澤剛1
所属機関: 1埼玉医科大学心臓病センター
ページ範囲:P.47 - P.50
文献購入ページに移動うっ血性心不全または慢性うっ血性心不全という言葉が使われるが,うっ血と心不全は必ずしも同時に成立するわけではない,つまり,心不全自体が独立した単一の疾患でなく,様々な原因疾患による一つの症候群としてとらえられており,あえて定義してみれば,心臓の機能不全による心拍出量の低下ということになる.
一方,うっ血状態とは,左室収縮機能の低下をFrank-Starling機序によって代償した結果,肺静脈圧が上昇する場合もあるし,左室拡張障害により左室拡張期圧が上昇した結果,左房圧,肺静脈圧が上昇する場合,あるいは僧帽弁狭窄症のように,左室機能には何ら異常がないにもかかわらず出現する場合もある.したがって,うっ血性心不全を起こす病態は単一ではないが,一般的には左室収縮機能障害に伴い,その代償機序の結果として肺うっ血が生じた状態ととらえられており,この状態が内科的な薬物療法の対象となる.
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