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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

増刊号 Common Disease 200の治療戦略

循環器疾患

大動脈炎症候群(脈なし病・高安動脈炎)

著者: 松﨑益徳1 山川克敏1

所属機関: 1山口大学医学部第2内科

ページ範囲:P.91 - P.93

文献概要

疾患概念と病態
 大動脈炎症候群は,大動脈およびその主要分枝,肺動脈に起こる原因不明の非特異的動脈炎である.1908年,眼科医の高安による報告以来,脈なし病とも呼ばれたが,近年,上田らにより大動脈炎症候群という単一病名により総括されることとなった.しかし,現在でも国際的にはTakayasu'sarteritisが最も一般的な病名として用いられている.
 本症は慢性疾患であり,動脈病変が長期かつ広範囲に起こるため,多種多様の臓器障害が発症し,個々の臨床症候は極めて多彩である(表1).本症の病態は,①全身症状を主体とするprepulselessphase,②動脈炎による血管病変を主体とするpulselessあるいはvessel inflammatory phase,③主要動脈の非活動型狭窄閉塞病変および高血圧を呈するchronic occlusive phase,に分けられるが1),治療戦略上は①②を急性期,③を慢性安定期と分類している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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