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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

文献概要

増刊号 Common Disease 200の治療戦略 循環器疾患

レイノー病・レイノー症候群

著者: 大野実1

所属機関: 1東京大学医学部第1内科

ページ範囲:P.96 - P.97

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疾患概念と病態
1.病態
 1986年にパリのMaurice Raynaudが発作性の皮膚の血行障害を報告して以来130年以上経過したが,この病態に関していまだ本質的な病態の解明はなされていない.
 一般にレイノー現象(Raynaud's phenomenon)は,寒冷などの刺激で皮膚細動脈の発作性収縮により四肢,特に手指の蒼白化を生ずる現象である.さらに,乳頭化細小静脈相のうっ血でチアノーゼをきたし,さらに乳頭化細小動脈相の拡張により潮紅を呈する.このような寒冷時の皮膚の血管の収縮は本来生理的反応であるが,これが過度に現れ,日常生活に支障をきたした場合は病的と考えられる.この現象は各種の全身疾患の部分症状としてみられることが多く,特に全身性エリテマトーデス(SLE)や全身性強皮症(PSS),混合型結合織病(MCTD)の初発症状として重要である.表1に記載したような全身疾患に併発するものはレイノー症候群(Raynaud's syndrome)と定義され,基礎疾患のないレイノー病(Raynaud's disease)とは区別される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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