文献詳細
増刊号 Common Disease 200の治療戦略
消化器疾患
虚血性大腸炎
著者: 北野厚生1 大川清孝2 押谷伸英3 松本誉之3
所属機関: 1大阪市立十三市民病院内科 2大阪市総合医療センター消化器内科 3大阪市立大学医学部第3内科
ページ範囲:P.152 - P.153
文献概要
1963年,Boleyらは腹痛,顕下血により発症し,注腸造影上栂指圧痕(thumb printing)像を呈し,その後痕跡を残さずに自然治癒した症例において,主幹動脈には明らかな閉塞が認められないこと,さらに大腸の血流遮断実験においても同様の像が再現されることから,これらの大腸病変は大腸の可逆性閉塞に基づくとする考えから“reversible vascular occulusion of the colon”というdisease entityを打ち出した1).
1966年,Marstonらはischemic colitis(IC)なる病名を提唱し,重症度に準じて,①一過性型(transient type),②狭窄症(stricture type),③壊死型(gangrenous type),に分類した2).その後,1977年,臨床経過を加味して,③を除いた可逆性である①および②をICとして報告した3).
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