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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

増刊号 Common Disease 200の治療戦略

消化器疾患

原発性胆汁性肝硬変

著者: 柴田実1

所属機関: 1東京都立荏原病院内科

ページ範囲:P.198 - P.200

文献概要

疾患概念と病態
 原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis:PBC)は1950年にAhrensらにより提唱された,自己免疫異常に基づく進行性の慢性肝内胆汁うっ滞性疾患である.中年以降の女性に好発し,胆道系酵素やIgMの上昇を認め,約85%に抗ミトコンドリア抗体(AMA)が出現する.無症候性PBCは癌痒感や黄疸を認めず,症候性PBCはこれらのいずれかの症状を伴った病態である.近年,血清ビリルビン,GOT,GPTおよびALPは正常だが,AMA陽性で肝生検でPBCと診断される“早期PBC”という病態があることが判明した1).早期PBCは発病初期のPBCなのか,あるいはPBCの不全型なのかは不明である.肝病変の進行度に関わりなく角膜口腔乾燥症(Sjögren症候群),Raynaud症状,慢性関節リウマチ,強皮症,甲状腺疾患などの自己免疫性疾患を高率に合併する.組織学的には小葉間胆管およびその周囲に慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)などの胆管障害像を認める.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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