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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

“ホッ”とspot

難治性腹水に対する腹水ECUM

著者: 堀口孝泰1

所属機関: 1公立小浜病院内科

ページ範囲:P.200 - P.200

文献概要

 肝硬変・うつ血性心不全・ネフローゼ・癌性腹膜炎の腹水や透析腹水のコントロールに際して,直接排液・廃棄すると低蛋白血症や低栄養などの副作用をきたす.また,腹水濃縮再静注法はendotoxinを代表とする種々のpyrogenによる発熱などの問題が生じる.筆者らは,腹水を血液透析装置を用いて濃縮した上で直接腹腔内へ戻す方法を用いて十数例に良好な成績を得ている.体外循環は無ヘパリンでも可能であるが,フィブリンの析出が多いため回路や穿刺針の閉塞により治療を中断しなくてはならないことが多いので,今までは返血回路側に三方活栓を付け,析出するフィブリンを注射器にて排出し,穿刺針の閉塞を防止していた.しかし,常に監視が必要であり,廃棄するフィブリンを含む腹水量も少なくないために低蛋白血症をきたす危険があった.そこで,透析回路のチャンバーのメッシュを粗にすることで,回路閉塞をきたすような大きなフィブリン塊の析出は全く認めなくなり,簡便に腹水のコントロールが得られるようになった.腹水は含有蛋白濃度が高くなりreboundが生じると考えられるが,自験例では1例もreboundは認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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