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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

文献概要

増刊号 Common Disease 200の治療戦略 消化器疾患

慢性便秘症

著者: 佐々木大輔1

所属機関: 1弘前大学保健管理センター

ページ範囲:P.222 - P.223

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疾患概念と病態
 便秘は,排便回数が少ない,1回の排便量が少ない,便が硬い,便が出にくいなどと訴える症状群である.女性と老年者に多い.便秘の訴えがあっても,本人に苦痛がなく,肛門疾患などの合併症もないならば特に治療の必要はない,分類であるが,便秘の経過から急性と慢性に分ける.原因疾患および病態から器質的と機能的に分ける.器質的便秘は原因疾患の治療を第一とする.本稿では慢性機能的便秘について述べる.
 慢性機能的便秘には,腸管の運動機能が亢進している痙攣性便秘と低下している弛緩性便秘がある.痙攣性便秘は内臓知覚の過敏,弛緩性便秘は鈍麻を伴うことがある.痙攣性便秘の大部分は過敏性腸症候群である.弛緩性便秘の中で,直腸知覚の鈍麻の著しいものが直腸性便秘である.痙攣性便秘と弛緩性便秘の臨床的鑑別点は,前者は若年〜中年の女性に多い,便が兎糞状で腹痛,腹部不快感などの腹部症状に富む,後者は老年者に多く,便が太く硬く,腹部症状が少ない,などである.なお,薬剤による便秘もある.常用薬の有無は必ず聞く(表1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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