文献詳細
書評
文献概要
片麻痺があるが,意識障害の程度はどのくらいかなどの神経学的所見は,神経系が専門でなくても容易にとることができる.しかし,失語・失行症などの高次脳機能の評価,神経眼科学的所見の取り方,運動・感覚障害の局在診断などは神経診断学をある程度修めなければ難しい.しかし,臨床神経学の面白さは,これらを理解することによって倍増してくるし,神経所見のしっかりした評価ができて,初めて神経内科医,脳神経外科医などの専門医としての存在意義も増してくる.
本書は,神経学的所見のとり方を手引きした英国学派の書を伊藤直樹先生のグループが翻訳し,小冊子版,約250ページ,簡易装丁にしたものである.タイトルからは,学生,一般医向けと思われがちである.しかし,内容は実用的でありながらかなり高度な内容である.豊富なフローチャートとイラストを含み,病歴の取り方から言語,脳神経,運動,知覚,自律神経系までの神経学的診察法を網羅している.特にフローチャートは診断上の鑑別点を明らかにするよう十分な配慮のなされているものである.これはビジュアルに鑑別診断への思考過程を理解でき,秀逸である.
本書は,神経学的所見のとり方を手引きした英国学派の書を伊藤直樹先生のグループが翻訳し,小冊子版,約250ページ,簡易装丁にしたものである.タイトルからは,学生,一般医向けと思われがちである.しかし,内容は実用的でありながらかなり高度な内容である.豊富なフローチャートとイラストを含み,病歴の取り方から言語,脳神経,運動,知覚,自律神経系までの神経学的診察法を網羅している.特にフローチャートは診断上の鑑別点を明らかにするよう十分な配慮のなされているものである.これはビジュアルに鑑別診断への思考過程を理解でき,秀逸である.
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