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“ホッ”とspot
短期間にて消失した両側肺門リンパ節腫脹の経験
著者: 小林淳晃1
所属機関: 1大宮赤十字病院呼吸器内科
ページ範囲:P.234 - P.234
文献購入ページに移動 私は6年前にカナダ人男性の両側肺門リンパ節腫脹(以下,BHL)が2週間で消失し驚かされた経験があります.日常診療でわれわれが出会うBHLはサルコイドーシスや悪性疾患に伴う例がほとんどであり,欧米のテキストにみられる感染症由来のBHLを日本でみることは実際稀でしょう.結局,このカナダ人は伝染性単核球症であって,Paul-Bunnel反応も日本人と異なり,かなり高値を示していました.
欧米ではわが国と逆に青年期にこの病気の発症が多くみられることは知られていて,確かに文献上でも海兵隊員ら多くの知見が報告されていました.その中で米国などでは伝染性単核球症に伴ってBHLや縦隔リンパ節腫脹が出現する頻度も実際に高いことを,その際初めて知り驚きました.しかし,頸部リンパ節の腫脹はこの病気の場合かなり長期にわたり観察されるのに対し,なぜBHLがこれほど速く消失したのかはわかりませんでした.
欧米ではわが国と逆に青年期にこの病気の発症が多くみられることは知られていて,確かに文献上でも海兵隊員ら多くの知見が報告されていました.その中で米国などでは伝染性単核球症に伴ってBHLや縦隔リンパ節腫脹が出現する頻度も実際に高いことを,その際初めて知り驚きました.しかし,頸部リンパ節の腫脹はこの病気の場合かなり長期にわたり観察されるのに対し,なぜBHLがこれほど速く消失したのかはわかりませんでした.
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