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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

文献概要

増刊号 Common Disease 200の治療戦略 神経・筋疾患

一過性脳虚血発作

著者: 田中耕太郎1 福内靖男1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部神経内科

ページ範囲:P.236 - P.239

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疾患概念と病態
 1.疾患概念1)
 一過性脳虚血発作(transient ischemic at-tack;TIA)の概念は,脳血管障害の分類上の位置づけにおける考え方,発症機序に関する検討,治療法の開発や画像診断技術の進歩とともに変化してきている1).現在,われわれが日常臨床的にTIAを診断名として用いているときは,脳虚血は全脳虚血ではなく局所的であり,それによる巣症状が一過性(24時間以内,多くは数分以内)にみられる一過性局所性脳虚血発作を指す.
 TIAは脳血管障害の主要病型の一つとして,1958年のNIH委員会の分類に初めて記載された.そこでは脳梗塞を伴わない脳虚血“transientcerebral ischemia without infarction”として,反復性局所脳虚血発作(recurrent focal cerebralischemic attack),全身血圧低下に伴う一過性脳虚血発作および片頭痛が含まれていた.これらのうち,われわれがTIAとして臨床的に問題にするのは前2者の病型であり,本稿でもTIAはこの両者を指すものとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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