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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

増刊号 Common Disease 200の治療戦略

呼吸器疾患

異型肺炎

著者: 市川洋一郎1 大泉耕太郎1

所属機関: 1久留米大学医学部第1内科

ページ範囲:P.282 - P.283

文献概要

疾患概念と病態
 異型肺炎(atypical pneumonias)は,肺炎球菌などの一般細菌を病原とする細菌性肺炎(bacterialpneumonia)に比べて,その臨床像が異なることから名づけられた診断名である.現在では異型肺炎はウイルス,マイコプラズマやクラミジアなどの非細菌性病原によってひき起こされることが明らかになり,その結果,異型肺炎という総称は使用されなくなってきており,例えば“マイコプラズマ肺炎”のように,起炎病原体の名称を先につけて呼ばれる傾向にある.いわゆる異型肺炎の病原として頻度が高く重要なものは,マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)とクラミジア(Chlamydia psittaciとChlamydia pneumoniae)であり,本稿ではこれを中心に述べる.
 マイコプラズマ肺炎は小児や若年成人においては市中肺炎(community acquired pneumonia)の起炎病原として最も頻度が高い.発熱と激しい乾咳(non productive cough)が特徴であり,胸部X線像ではスリガラス状の淡い間質性陰影を呈することが多いとされているが,均等な浸潤影を呈することもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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