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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

文献概要

増刊号 Common Disease 200の治療戦略 呼吸器疾患

慢性閉塞性肺疾患—慢性気管支炎・肺気腫

著者: 神野悟1

所属機関: 1東京都老人医療センター呼吸器科

ページ範囲:P.289 - P.293

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疾患概念と病態
 肺気腫と慢性気管支炎は,慢性閉塞性肺疾患を構成する2大疾患である.いずれも喫煙によってもたらされる炎症性疾患で,肺機能上,臨床上,不可逆性の閉塞性換気障害を呈することより慢性閉塞性肺疾患(COPD)として一括されることが多い.しかし,肺気腫の定義は1987年の米国胸部疾患学会の定義によると,“終末細気管支より末梢の気腔,すなわち呼吸細気管支,導管,肺胞が破壊されて,そのため拡張した状態”と,純粋な病理学的診断である.すなわち,必ずしも肺気腫の進展と閉塞性換気障害は並行しない.Hoggらは,切除標本をもとに肺気腫の病理学的重症度との関連について調査した(Thorax,1994年).その結果,肺気腫の病理学的重症度と閉塞性換気障害とは相関しないことを示した.またBelbらは,CTの画像診断上の肺気腫重症度と閉塞性換気障害との関連を調査し,同様の結果を得ている(Am RevRespir Dis,1933年).
 一方,慢性気管支炎は米国胸部疾患学会の定義では“気管支における慢性,反復性(3カ月間ほとんど毎日,少なくとも2年連続)の過剰な粘液分泌状態で,気管支拡張症や結核などによるものは除外される”.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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