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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

増刊号 Common Disease 200の治療戦略

呼吸器疾患

びまん性汎細気管支炎

著者: 吾妻安良太1 橋元恭士1 榎本達治1 工藤翔二1

所属機関: 1日本医科大学第4内科

ページ範囲:P.295 - P.297

文献概要

疾患概念と病態
 びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis:DPB)は,1969年に本間,山中らによって臨床病理学的に独立した疾患として提案され,1983年に初めて欧米誌(Chest)にその疾患概念が紹介された.現在まで,日本人(モンゴリアン)に多いとされる慢性気道炎症性疾患である.
 その臨床像は,咳嗽,喀痰および息切れを主徴とし,胸部聴診上,80%以上に水泡音を聴取する.胸部X線像では両肺野のびまん性散布性粒状影(初診時約70%,最終診断時約90%に認められる),あるいは胸部CT像において小葉中心性の粒状影が認められ,しばしば過膨張所見を伴う.血液ガス所見では低酸素血症(80torr以下)を呈し,呼吸機能検査では1秒率低下(70%以下)が特徴的で,進行すると肺活量の減少,残気率(量)の増加を伴う.しかし,通常は拡散能の低下はみられない.さらに血清学的検査では寒冷凝集素価が64倍以上の高値を呈する.その持続的高値はDPBに特有とされ,単なる診断基準の一つにとどまらず,病因・病態の解明に重要な所見と考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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