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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

増刊号 Common Disease 200の治療戦略

呼吸器疾患

気管支拡張症

著者: 富井啓介1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院呼吸器内科

ページ範囲:P.298 - P.299

文献概要

疾患概念と病態
 気管支拡張症は“気道壁の破壊に伴う気管支の不可逆性拡張”と形態学的に規定された概念で,その成因,臨床像は多様である.これまで診断には気管支造影が必須であったが,昨今では高分解能CTにより非侵襲的に行えるようになった.ただし,一般に気管支拡張症という場合,肺癌,肺結核,肺化膿症,無気肺,肺線維症,アレルギー性気管支肺アスペルギールス症などに続発してできたものは除かれる.
 臨床的には,普段無症状で突発的な血痰を繰り返すdry typeと,大量の喀痰を主症状とするwettypeとに大別される.dry typeには中葉症候群や幼少時期の一過性の感染症が原因と推定されるものが多く1),通常いずれかの肺葉や区域に限局した分布(図1)をとり,肺機能の低下はあまり認めない.一方,wet typeの多くは慢性副鼻腔炎を伴い,いわゆる副鼻腔気管支症候群(SBS)に含まれ,中にはびまん性汎細気管支炎(DPB)が併存ないし進展した2)と考えられる重症例(びまん性気管支拡張症)(図2)もあり,総じて閉塞性換気障害を呈し,呼吸不全を併発する場合もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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