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“ホッ”とspot
肝膿瘍と周期熱
著者: 近藤英樹1
所属機関: 1大川病院内科
ページ範囲:P.377 - P.377
文献購入ページに移動症例は32歳の女性.発熱,全身倦怠感を主訴として来院.2ヵ月前より,約10日間の発熱と約10日間の解熱期を繰り返しているという.白血球数 26,000/μl,ヘモグロビン 10.7g/dl,総ビリルビン 0.4mg/dl,GOT 9IU/l,GPT 221U/l,CRP 67.2mg/dlと高炎症反応は認められたが,肝機能は正常.胸腹部X線,心エコーでも異常は認められなかった.入院後も7〜12日間の有熱期と10〜12日間の無熱期を規則正しく繰り返した.約3カ月の経過中,腹部症状はみられなかったが,不明熱の精査のため,腹部CTを撮ったところ,肝内に多数の低吸収域が認められた.肝膿瘍を疑い,抗生剤を投与したところ,以後発熱は消失し,次第に肝内の低吸収域は吸収され,無事退院した.
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