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増刊号 Common Disease 200の治療戦略 代謝・栄養障害
肥満
著者: 小谷一晃1 松沢佑次1
所属機関: 1大阪大学医学部第2内科
ページ範囲:P.378 - P.379
文献購入ページに移動「肥満」とは体脂肪が過剰に蓄積した状態と定義されるが,現在のところ正確かつ簡便な体脂肪量の定量法がなく,一般臨床においては身長と体重によって肥満を判定している.日本肥満学会ではその基準となるべき標準体重として,最も有病率が少ない体重(kg)である「身長(m)2×22」を推奨しており,体重がこの標準体重の+20%以上である場合を「肥満」と定めている.
それに対して「肥満症」という概念は,表1に示すように,一言でいえば「治療すべき肥満」である.ただし,ここでいう「将来合併症を発症すると予測される肥満」とは,国際的にその重要性が認められている「内臓脂肪型肥満」を指し,(腹腔内)内臓脂肪の蓄積に伴い,糖尿病・高脂血症・高血圧症・虚血性心疾患などの成人病を合併しやすい肥満のことである.この内臓脂肪型肥満は臍のレベルのCTスキャン像において,腹腔内内臓脂肪(V)と皮下脂肪(S)の面積比(V/S比)が0.4以上である場合,内臓脂肪型肥満と診断する.
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