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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

増刊号 Common Disease 200の治療戦略

内分泌疾患

甲状腺機能亢進症

著者: 中村浩淑1

所属機関: 1浜松医科大学第2内科

ページ範囲:P.394 - P.395

文献概要

疾患概念と病態
 甲状腺機能亢進症の用語の使い方には,若干の混乱が見られる.それは,甲状腺ホルモンの合成,分泌が亢進し,ホルモン作用が過剰となった病態を甲状腺機能亢進症と呼ぶ立場と,これより広義に,甲状腺ホルモンの合成が亢進していなくても,血中ホルモンレベルが高まった状態をすべて甲状腺機能亢進症と呼ぶ場合があるからである.さらに,甲状腺ホルモンの作用が亢進する疾患としてはBasedow病が圧倒的に多いため,甲状腺機能亢進症がBasedow病の同意語として用いられることもある.表1に示すように,甲状腺機能亢進症状(甲状腺中毒症)をきたす疾患には種々のものがある.このうち甲状腺でのホルモン合成が亢進しているグループと,していないグループの区別は治療上大切である.前者が治療を行わない限り基本的にホルモン合成が亢進し続けるのに対し,後者の血中甲状腺ホルモン濃度の上昇は,多くの場合一過性であるからである.
 本稿では以下Basedow病の治療を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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