文献詳細
文献概要
増刊号 Common Disease 200の治療戦略 内分泌疾患
高カルシウム血症
著者: 竹田秀1 松本俊夫1
所属機関: 1東京大学医学部第4内科(分院)
ページ範囲:P.402 - P.403
文献購入ページに移動高カルシウム(Ca)血症は様々な病態によりもたらされるが,原因疾患の大部分は悪性腫瘍に伴うものと,原発性副甲状腺機能亢進症である(表1).血清Ca濃度は副甲状腺ホルモン(PTH),活性型ビタミンDといったCa調節ホルモンにより,腸管からの吸収,骨での出入り,腎尿細管での再吸収の各段階で厳密に調節されている.そのなかで,悪性腫瘍に伴う高Ca血症や原発性副甲状腺機能亢進症では,骨吸収の亢進による骨からのCa動員が高Ca血症の主な発現機序となっている.一方,ビタミンD作用過剰症では,腸管からのCa吸収亢進が病態の中心である.
一般に,高Ca血症では,尿濃縮力が低下することで高度の脱水状態にある.その結果,さらに高Ca血症が増悪してクリーゼに至ることもある.
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