icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

文献概要

増刊号 Common Disease 200の治療戦略 内分泌疾患

副甲状腺機能低下症

著者: 古川洋太郎1

所属機関: 1仙台市立病院内科

ページ範囲:P.407 - P.410

文献購入ページに移動
疾患概念と病態
 副甲状腺機能低下症(HP)は副甲状腺ホルモン(PTH)の作用不全のため低カルシウム(Ca)血をきたす疾患であるが,PTHの欠乏による本来のHPと,標的臓器である腎のPTH不応による偽性副甲状腺機能低下症(PHP)とに大別される,両者の治療は,低Ca血の是正を目的に活性型ビタミンDを用いる点で変わりはないが,活性型ビタミンDの治療効果や治療上の問題点などにおいてかなりの違いがある.したがって,治療前に両者を正しく診断しておくことが必要である.
 PTHは骨細胞に働き,骨吸収を促進して血中にCaとリン酸を動員する.他方,PTHは腎組織に作用し,遠位尿細管においてCaの再吸収を高め,近位尿細管においてはリン酸と水酸イオンの再吸収を抑制する.この際,骨と遠位尿細管におけるCa作用は,活性型ビタミンDなしでは十分に発揮されない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?