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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

増刊号 Common Disease 200の治療戦略

内分泌疾患

褐色細胞腫

著者: 吉本勝彦1

所属機関: 1徳島大学医学部臨床分子栄養学

ページ範囲:P.423 - P.424

文献概要

疾患概念と病態
 褐色細胞腫は副腎髄質から生じる腫瘍で,大量のカテコールアミンを産生・放出するため,種々の臨床症状を呈する疾患である.高血圧,頭痛,発汗,動悸,顔面潮紅あるいは蒼白,狭心症様症状,糖尿病,体重減少など多彩な臨床症状を呈する.臨床症状は発作型と持続型に分けられ,前者ではカテコールアミン大量放出時のみに高血圧などの症状を示す.この発作は1日に何回も起こす例から数カ月に1回の例とさまざまで,持続時間も一定しない.後者では高血圧が持続する.その比は2:1と発作型が多い.発作の誘因は,腹部圧迫,排尿,排便,腹部のマッサージなどがある.
 本症は全高血圧患者の0.1〜0.5%を占める.本腫瘍の約90%は左右いずれかの副腎から,残りの約10%は両側副腎から生じる.また副腎外発生が10%,悪性型が10%,家族性発生が10%を占めることより,本症は10%病ともいわれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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