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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

文献概要

増刊号 Common Disease 200の治療戦略 アレルギー疾患

アナフィラキシーショック

著者: 田所憲治1

所属機関: 1日本赤十字社中央血液センター研究部

ページ範囲:P.429 - P.430

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疾患概念と病態
 1.アナフィラキシーショックの病態
 ある抗原物質(アレルゲン)にさらされたとき,これに対するIgE抗体を作りやすい体質をアトピーという.産生されたIgEは肥満細胞,好塩基球に受容体を介して結合している.このようなときに抗原に曝露されると,細胞表面で抗原抗体反応が起こり,細胞からヒスタミンなどのケミカルメディエーターが放出され,血管の拡張,血管透過性の亢進,気管支・腸管の攣縮,神経末端の刺激などが惹起される,この反応は数秒から30分以内に起きるので即時型反応といわれるが,それが尋麻疹,鼻炎,下痢などの局所症状にとどまらず,全身違和感,呼吸困難,血圧低下など重篤な全身反応を伴うものをアナフィラキシーといい,こうした反応により引き起こされるショックをアナフィラキシーショックという.
 これに対して,IgE抗体を介さずに,アナフィラキシーと同様な症状を呈する反応をアナフィラキシー様反応という.例えば,X線造影剤によるショックは造影剤が補体やカリクレインにブラジキニン系を直接活性化させたり,肥満細胞,好塩基球からのメディエーター遊離を直接刺激したために起こると考えられている.アナフィラキシー様反応も,以上のようにアナフィラキシーにみられるケミカルメディエーターがその発症に関与しており,臨床的にはアナフィラキシーと同様に扱われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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