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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

文献概要

“ホッ”とspot

Smiling depression

著者: 今村彰1

所属機関: 1小千谷総合病院内科

ページ範囲:P.517 - P.517

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 80歳台の女性.気管支喘息とのことで入院していたが,笛音が頸部中心であり,耳鼻科的に異常を認めなかったことから不安神経症による増悪と考え,メキサゾラムを投与した.投与後症状は消失,外来にて経過をみていたところ死亡の連絡あり,酒に酔っての自宅の二階からの転落死であった.聞いたところでは,家族がなく親戚と同居していた,とのことであった.状況から“うつ”による自殺を疑った.“うつ”への抗不安薬単独投与はsmiling depressionの原因となるため禁忌といわれている.smilingdepressionでは自殺率が高くなる,とされているからである.注意してみると,一般内科でも不安症状,強迫症状を主とする“うつ”の患者をみることは決して少なくはないことがわかる.特に身体症を基礎にもつ高齢者では症状の増悪因子としての“うつ”の合併に注意を向ける必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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