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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

増刊号 Common Disease 200の治療戦略

感染症

Epstein-Barrウイルス感染症

著者: 星岡明1 河野陽一1

所属機関: 1千葉大学医学部小児科

ページ範囲:P.519 - P.521

文献概要

 Epstein-Barrウイルス(EBV)は人間界に広く蔓延しているウイルスであり,ほとんどの成人はEBVに対する抗体をもつ既感染者である.唾液を介して感染したEBVは,上咽頭の上皮細胞で増殖し,その後Bリンパ球に感染する.生体の免疫系は,EBVに対してcytotoxic T cell(CTL)を主体に応答しこれを制御するが,このときの反応の強さで病態が決定される.すなわち,免疫系の発達が不十分な乳幼児期に初感染した場合には,不顕性あるいは軽微な上気道症状を呈するのみであるが,免疫系が発達してきた学童期以後の初感染では伝染性単核球症を発症する.以上の急性EBV感染症は,一般にself limitingな疾患である.一方,EBVの活動性を十分に制御できずに慢性的に炎症が続く慢性活動性EBV感染症が稀に存在する.
 以下に,急性感染症としての伝染性単核球症と,慢性で重症な感染症としての慢性活動性EBV感染症について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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