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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

文献概要

増刊号 Common Disease 200の治療戦略 感染症

破傷風

著者: 飯国弥生1

所属機関: 1北里大学医学部内科

ページ範囲:P.532 - P.533

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疾患概念と病態
 有芽胞嫌気性グラム陽性桿菌(Clostridiumtetani)が産生する外毒素(tetanospasmin)により起こる.破傷風菌は芽胞を形成し,酸素,湿度,高温度に抵抗を示す.土壌,肥料,埃などに生息し,時にヒトの皮膚・腸管などでもみられる.外傷,稀に分娩で感染する.外毒素は運動神経線維を伝達し,脊髄,中枢神経に到達し,横紋筋の硬直と痙攣を特徴とする.また自律神経に作用し,カテコールアミンの増加に伴う交感神経過緊張症状がみられる.潜伏期間は3日〜2カ月で,2週間以内が多いが,1/3は受傷の既往がない.
 臨床経過は4期に分けられ,①第1期(全駆期):肩こり,受傷側の手足の緊張感など,②第2期(onset timeで開口障害から全身痙攣出現までの期間):開口障害,嚥下痛・障害,発語障害,痙笑など.③第3期(痙攣発作期):後弓反張,排尿・排便障害,呼吸困難など.④第4期(回復期):痙攣は消失し,筋硬直は残るが徐々に回復する.重症では交感神経過緊張による不安定な高血圧,頻脈,不整脈,高熱,多汗,唾液分泌亢進などがみられる.意識は清明で,知覚障害はないが,痙攣のための強い痛みがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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