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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

増刊号 Common Disease 200の治療戦略

寄生虫・原虫疾患

マラリア

著者: 狩野繁之1

所属機関: 1群馬大学医学部寄生虫学

ページ範囲:P.547 - P.549

文献概要

疾患概念と病態
 マラリアは,プラスモジウム属の原虫がハマダラ蚊を媒介して感染する伝染性疾患で,熱帯,亜熱帯のおよそ100カ国に広く流行し,世界の年間マラリア患者数は1億人を越えている.日本人年間海外出国者数が1,358万人となった現在,本邦の年間輸入マラリア患者数も,報告されるだけで100例を越えだした.マラリアは悪寒・戦慄を伴う間欠的な熱発作,貧血,脾腫を主症状とするので,臨床諸家は特に流行地への渡航歴がある発熱者を診たら,まずマラリアを疑うことが肝要である.ヒトのマラリアは,熱帯熱,三日熱,四日熱,卵形マラリアの4種類であるが,特に熱帯熱マラリアは悪性マラリアの異名もあり,診断・治療の遅れが致命的になる.また,既存の抗マラリア薬の治療に抵抗するマラリアも世界中に拡散しており,診断・治療の適切性が以前にも増して要求されてきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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