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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻12号

1995年11月発行

文献概要

増刊号 Common Disease 200の治療戦略 寄生虫・原虫疾患

ニューモシスチスカリニ肺炎

著者: 柳原克紀1 河野茂1

所属機関: 1長崎大学医学部第2内科

ページ範囲:P.550 - P.552

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疾患概念と病態
 Pneumocystis cariniiは,常在場所は不明であるが,自然界に広く分布し,ヒトを含む哺乳類の肺に不顕性感染しているものと思われる.また,哺乳類でも,宿主によりヒト,マウス,ラットに感染するP. cariniiはそれぞれ種が異なることが知られている.ニューモシスチスカリニ肺炎は,P. cariniiが宿主の免疫不全に乗じて肺胞内で増殖して,重篤な肺炎を起こす典型的な日和見感染症の一つである.
 P. cariniiに感染しても,宿主の免疫能が正常であれば増殖が阻止され,発症することはない.そのため先天性免疫不全患者,長期にわたる免疫抑制療法が行われている白血病,悪性リンパ腫,固型癌,臓器移植患者やAIDS患者など,いわゆるimmunocompromised hostに日和見感染症として発症する例が大部分を占める.症状および症候として,乾性咳嗽,発熱,呼吸困難,チアノーゼなどがある.LDHの上昇も特徴であり,PaO2は病初期より著しく低下する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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