文献詳細
文献概要
増刊号 Common Disease 200の治療戦略 皮膚疾患
皮膚瘙痒症
著者: 宮地良樹1
所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科
ページ範囲:P.596 - P.597
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原発疹を欠き,瘙痒のみを愁訴とする場合を皮膚瘙痒症と診断する.通常は掻破痕などの続発疹を有し,ドライスキン(乾皮症)を背景に有することが多い.皮膚瘙痒症は,限局性と汎発性とに分けられ,前者は外陰部皮膚瘙痒症として,前立腺肥大,尿道狭窄,膣トリコモナス症,痔,便秘,下痢などに起因する可能性がある.汎発性皮膚瘙痒症には多彩な内科疾患が関与するが,慢性腎不全や閉塞性胆道疾患などで瘙痒が愁訴となる時期には,すでに原疾患の診断は下されており,デルマドロームとして重要なのは糖尿病,甲状腺機能低下症,鉄欠乏性貧血,悪性腫瘍などである.その他,併用薬(降圧剤,精神安定剤など)や食品(魚介類,野菜など)でも瘙痒を惹起することがある.これらの可能性を否定したのち,乾皮症に基づく皮膚瘙痒症としての治療に入るべきである.
原発疹を欠き,瘙痒のみを愁訴とする場合を皮膚瘙痒症と診断する.通常は掻破痕などの続発疹を有し,ドライスキン(乾皮症)を背景に有することが多い.皮膚瘙痒症は,限局性と汎発性とに分けられ,前者は外陰部皮膚瘙痒症として,前立腺肥大,尿道狭窄,膣トリコモナス症,痔,便秘,下痢などに起因する可能性がある.汎発性皮膚瘙痒症には多彩な内科疾患が関与するが,慢性腎不全や閉塞性胆道疾患などで瘙痒が愁訴となる時期には,すでに原疾患の診断は下されており,デルマドロームとして重要なのは糖尿病,甲状腺機能低下症,鉄欠乏性貧血,悪性腫瘍などである.その他,併用薬(降圧剤,精神安定剤など)や食品(魚介類,野菜など)でも瘙痒を惹起することがある.これらの可能性を否定したのち,乾皮症に基づく皮膚瘙痒症としての治療に入るべきである.
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