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今月の主題 慢性関節リウマチとリウマチ周辺疾患 Editorial
慢性関節リウマチの今日
著者: 井上哲文1
所属機関: 1東京大学医学部物療内科
ページ範囲:P.2348 - P.2349
文献購入ページに移動治療におけるbenefit/risk評価基準の変化とその治療戦略への投影
いかなる疾患の治療に際しても,そのbenefit/risk評価は不可欠のものである.つまり,治療によって得られる状態の改善というbenefitと,治療によってもたらされるかも知れない副作用というriskのバランスをどのように考えるかが治療法選択の基礎になる.このバランスのとり方は,対象とする疾患の予後に大きく左右される.そして従来の内科治療学においては,生命予後が唯一絶対的な評価基準であったかの感がある.
慢性関節リウマチの治療にもこの理念は投影されてきた.すなわち,慢性関節リウマチは生命予後にはほとんど影響を与えない疾患であるとの基本認識(実際には10年近く短いとされる)に基づいて,長期にわたりいわゆるピラミッド型の治療戦略が用いられてきた.
いかなる疾患の治療に際しても,そのbenefit/risk評価は不可欠のものである.つまり,治療によって得られる状態の改善というbenefitと,治療によってもたらされるかも知れない副作用というriskのバランスをどのように考えるかが治療法選択の基礎になる.このバランスのとり方は,対象とする疾患の予後に大きく左右される.そして従来の内科治療学においては,生命予後が唯一絶対的な評価基準であったかの感がある.
慢性関節リウマチの治療にもこの理念は投影されてきた.すなわち,慢性関節リウマチは生命予後にはほとんど影響を与えない疾患であるとの基本認識(実際には10年近く短いとされる)に基づいて,長期にわたりいわゆるピラミッド型の治療戦略が用いられてきた.
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