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今月の主題 慢性関節リウマチとリウマチ周辺疾患 病態理解の進歩
慢性関節リウマチとT細胞
著者: 山本一彦1
所属機関: 1九州大学生体防御医学研究所内科
ページ範囲:P.2353 - P.2355
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●慢性関節リウマチ(RA)は典型的な自己免疫疾患の一つとされているものの,免疫応答の中心となるT細胞が実際にその病変や病態の形成に関与しているか否かについては,今のところはっきりした見解はない.
●主病変である関節滑膜での,T細胞の動態がはっきりつかめていないのが現状で,病変内のT細胞全体としては,むしろ機能的に抑制されているとする報告が多い.
●しかし,病変部位にはドミナントなT細胞クローンが集積していること,それが異なる病変部位でもかなり均一なことなどから,ある抗原に特異的な免疫応答が病変局所で強く起こっていると推測される.T細胞に抗原を提示するHLA分子の特定のタイプとRAとの相関が報告されており,これもRAにおけるT細胞の重要な役割を示唆する所見である.
●慢性関節リウマチ(RA)は典型的な自己免疫疾患の一つとされているものの,免疫応答の中心となるT細胞が実際にその病変や病態の形成に関与しているか否かについては,今のところはっきりした見解はない.
●主病変である関節滑膜での,T細胞の動態がはっきりつかめていないのが現状で,病変内のT細胞全体としては,むしろ機能的に抑制されているとする報告が多い.
●しかし,病変部位にはドミナントなT細胞クローンが集積していること,それが異なる病変部位でもかなり均一なことなどから,ある抗原に特異的な免疫応答が病変局所で強く起こっていると推測される.T細胞に抗原を提示するHLA分子の特定のタイプとRAとの相関が報告されており,これもRAにおけるT細胞の重要な役割を示唆する所見である.
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