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今月の主題 不整脈診療のための心電図の見方 Editorial
不整脈診療の基本
著者: 小川聡1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部呼吸循環器内科
ページ範囲:P.854 - P.857
文献購入ページに移動 近年,新規抗不整脈薬の開発がさかんで,I群薬だけでも現在13種類が臨床応用されている.なかでも,従来のIa群薬,Ib群薬に加えて,Ic群に分類される3薬剤(プロパフェノン,ピルジカイニド,タンボコール)が新たに加わったが,これら新薬の有効性は一般的に従来の薬剤よりも高く,これまで治療抵抗性であった各種不整脈への応用が期待されている.しかし,一方では催不整脈作用を含め,従来にない副作用への注意が求められてきたのも事実である.したがって,抗不整脈薬療法は決して理想的といえる段階ではない.現状では手元にあるいくつかの手段を症例ごとに有効に使い分けていくことが臨床家に求められ,そのためには以下にあげる不整脈治療の原則を十分理解し,さらに新しい知識に基づいた診療が要求されることになろう.
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