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今月の主題 不整脈診療のための心電図の見方 安静時標準12誘導心電図からみた不整脈診断
イプシロン波と心室頻拍
著者: 大西哲1 笠貫宏1 細田瑳一1
所属機関: 1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器内科
ページ範囲:P.872 - P.874
文献購入ページに移動●不整脈源性異形成(ARVD)などの基礎心疾患に伴う心室頻拍(VT)では高頻度に心室遅延電位が検出される.
●遅延電位は心筋局所の伝導遅延を意味し,VTリエントリーの回路の緩徐伝導路を形成しVTを惹起し得る.
●12誘導心電図で認められる遅延電位をε波(epsilon wave:イプシロン波)と呼ぶ.
QRSの終末からST部にかけて小さな高周波成分を有するnotchとして認められる.
ARVDでは,V1〜V3の右側前胸部誘導で高頻度に認められる.
●ε波を認めるときには,ARVDなどに伴うVTを念頭に置く必要がある.
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