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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻5号

1995年05月発行

文献概要

今月の主題 不整脈診療のための心電図の見方 安静時標準12誘導心電図からみた不整脈診断

Osborn波と心室細動

著者: 宇井進1

所属機関: 1東京都済生会中央病院内科

ページ範囲:P.878 - P.880

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ポイント
●Osborn波はJ波とも呼ばれ,QRSとST部分の始まりとの間に見られる上向きの波形である.
●低体温時に見られることが多く,偶発低体温では重篤な基礎疾患が存在することが多い.そのため,この波形が見られたら速やかな対応が必要である.
●脳死状態でも見られることがある.
●低体温時の心電図変化として①徐脈,②心房細動,③アーチファクトとしての筋電図,④Osborn波,⑤QT時間の延長などが見られることが多い.
●Osborn波の大きさは低体温の重症度と比例し,体温が下がると大きくなる.体温の上昇とともに縮小する.
●Osborn波は,脱分極の遅延によって生ずる可能性が高く,アシドーシスが原因ではない.
●Osborn波から直接,心室細動に移行することは少ないが,医学的処置(気管内挿管,カテコールアミンの静注など)が引き金となって心室細動となることがあるので,注意を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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