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文献詳細

雑誌文献

medicina32巻5号

1995年05月発行

文献概要

医道そぞろ歩き—医学史の視点から・2

たといわが命死ぬとも道ひらかん

著者: 二宮陸雄1

所属機関: 1二宮内科

ページ範囲:P.1042 - P.1043

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 杉田成卿が訳したフーフェランドの「医戒」は嘉永2年(1849年)に刊行され,多くの医者の魂を揺すぶりました、この嘉永2年という年は,日本の医学が大きな転機を迎えた重要な年です.
 イギリスのジェンナーが牛痘種痘による痘そう(天然痘)の予防に成功したのは1796年(寛政8年)です.天然痘はこの種痘のおかげで今は絶滅していますが,当時は恐るべき猛威をふるい,流行時には江戸で1万人も死ぬほどで,人びとは村のはずれに赤い布を結んだ竿を立て,赤で描いた武者絵を壁に貼って,病魔が入ってこないことを祈りました.天然痘の病魔は赤い色を嫌うと信じられていたからです.発疹が赤い光のもとで見えやすいからでしょう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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