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今月の主題 呼吸器疾患の画像診断 胸部CT
嚢胞状陰影
著者: 田村厚久1 毛利昌史1
所属機関: 1国立療養所東京病院呼吸器科
ページ範囲:P.1802 - P.1805
文献購入ページに移動●嚢胞状陰影の観察の基本項目:①陰影の部位,大きさ,数,広がり.②陰影辺縁部(嚢胞壁)の性状.③陰影内部(嚢胞内部)の性状.④陰影周囲の性状(周囲組織との関係).
●縦隔の嚢胞状陰影:①嚢胞病変内部は液体.②陰影の部位が鑑別診断上最も重要(例:傍心臓部→心膜嚢胞,肺門部→気管支嚢胞).③陰影内部のCT値も鑑別診断に有用(例:軟部組織のCT値→気管支嚢胞,一部に脂肪のCT値→嚢胞性奇形腫).
●肺の嚢胞状陰影:①嚢胞病変内部は基本的には気体(空気).②陰影の部位,広がりが鑑別診断上最も重要(例:肺尖〔限局性〕→ブラ,全肺野均一〔びまん性〕→リンパ管筋腫症).③陰影と周囲組織との関係や併存する他陰影の評価も鑑別診断に有用(例:異常血管陰影の存在→肺分画症,結節影の併存→好酸球性肉芽腫症やサルコイドーシス).
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