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医道そぞろ歩き—医学史の視点から・19
サレルノの医学校
著者: 二宮陸雄1
所属機関: 1二宮内科
ページ範囲:P.2228 - P.2229
文献購入ページに移動ナポリの南東30マイルのサレルノの辺りでは,ガレノスの死後もギリシヤ語が話されていた.サレルノの町はティレーニア海に臨み,背後に高い山が連なる温暖な町で,帝政ローマ時代から保養地として知られ,529年にモンテ・カシノの山上に聖ベネディクトゥスが教団を開き,7世紀末には僧院ができ,9世紀には病院も建てられた.これと並行して成立したサレルノ医学校は,ナポリやボローニヤの医学校と同じく,僧院から独立した俗人学校で,やがて12世紀にはボローニヤ医学校,モンペリエ医学校と並ぶ医学教育の中心となった.
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