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lc群抗不整脈薬(塩酸フレカイニド)の心臓ペーシングへの影響
著者: 北原公一1
所属機関: 1日本心臓血圧研究振興会付属榊原記念病院循環器内科
ページ範囲:P.38 - P.38
文献購入ページに移動 lc群抗不整脈薬である塩酸フレカイニドは,近年,難治性の上室または心室性の頻脈性不整脈に対して有効性が認められ,多く臨床応用されてきている.本薬剤は副作用として,循環器系では陰性変力作用,洞房伝導,房室伝導の抑制,QTの延長,催不整脈性,精神神経系ではめまいやふらつきなどが報告されている.本稿では,塩酸フレカイニド(タンボコール®)による心臓ペーシングの閾値上昇を認めた一症例を紹介する.
症例は71歳女性.1991年より動悸感を自覚,近医にて発作性心房細動の診断によりジソピラミドを投与されていた.1992年になって眩量感を伴うようになり,ホルター心電図上,最大7,200msecの洞停止を認めたため,当科に入院,洞機能不全症候群(Rubenstein III型)の診断によりDDDペースメーカーの植え込みを施行された.術後も一過性心房細動を認め,プロカインアミドを投与したが無効であり,1995年1月より塩酸フレカイニド200mg/dayの投与が開始された.5月に入って,以前とは異なった動悸感を自覚するようになったため外来を受診したところ,心電図上心房のペーシング不全を認め,入院となった.
症例は71歳女性.1991年より動悸感を自覚,近医にて発作性心房細動の診断によりジソピラミドを投与されていた.1992年になって眩量感を伴うようになり,ホルター心電図上,最大7,200msecの洞停止を認めたため,当科に入院,洞機能不全症候群(Rubenstein III型)の診断によりDDDペースメーカーの植え込みを施行された.術後も一過性心房細動を認め,プロカインアミドを投与したが無効であり,1995年1月より塩酸フレカイニド200mg/dayの投与が開始された.5月に入って,以前とは異なった動悸感を自覚するようになったため外来を受診したところ,心電図上心房のペーシング不全を認め,入院となった.
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