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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻12号

1996年11月発行

iatrosの壺

比較的使用頻度が多いが,医薬品情報に記載のない副作用をきたした症例

著者: 十念雅浩1

所属機関: 1柏東病院内科

ページ範囲:P.51 - P.51

文献概要

1)Ca拮抗薬(アダラートL®):42歳男性.慢性腎不全で透析歴10年.当院紹介時,収縮期血圧190以上.紹介状では,降圧薬はカタプレス®3tab/dayのみ.血圧は以前より高いが,特別指摘されていないらしい.カタプレス®単独の理由が不明であったが,カタプレス®減量中止,アダラートL®(10mg)2tab/dayに変更後,収縮期血圧160以下に低下.腎性貧血はあるものの,アダラートL®投与約1カ月後,WBC 4,000→2,400,Hb8.1→6.4,Ht 25.5→19.6,PLT 13.2万→7.1万と汎血球減少を認め,直ちにアダラートL®中止(他の内服薬はアルファロール®,CaCO3).投与中止2カ月後より回復傾向,1年後には投与前値に回復した.
 Ca拮抗薬は,安全性・有用性が高く,本邦の高血圧症の約50%に投与されている.副作用として無顆粒球症が知られているが,汎血球減少もきたしうること,他院に紹介の際は,それまで投与した薬剤で,副作用発現の可能性,疑いも含め,確実に情報を伝える必要があると痛感した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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