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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻12号

1996年11月発行

文献概要

iatrosの壺

Torsades de pointesの一例

著者: 石元篤雄1

所属機関: 1高知記念病院内科

ページ範囲:P.57 - P.57

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 普段教科書や文献の上でよくわかっていても,いざ救急の場面になると慌てるものである.
 75歳の女性が,意識消失と痙攣を起こして救急車で搬送されてきた.来院時の心電図は心室頻拍で,直ちに電気的除細動を行い,洞調律に戻り意識も回復した.同時にリドカインの静注と持続点滴をしたが,その後も心室頻拍から細動を繰り返し,電気的除細動をしてその度ごとに洞調律に復帰した.メキシレチンやプロカインアミドを点滴したが効果はなかった.洞調律回復時の心電図は完全房室ブロックであり,家族から,通院中の近医で最近このことを言われていたことがわかった.10回以上も電気的除細動を繰り返しながらやっと一時ペースメーカーを挿入,70/minでペーシングして頻拍は消失した.繰り返す心室頻拍は完全房室ブロックに伴うtorsades de pointesだったのである.この患者は拡張型心筋症と発作性心房細動があり,利尿薬,Ca拮抗薬,Ia群抗不整脈薬を投与されており,10日前に完全房室ブロックが認められ,ペースメーカーを検討されているところだったそうである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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