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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻12号

1996年11月発行

文献概要

iatrosの壺

胃腸薬の意外な落し穴

著者: 加藤智弘1

所属機関: 1笠岡第一病院内科

ページ範囲:P.97 - P.97

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 一般に,胃腸薬は他系統の薬剤に比べ比較的副作用が少なく,容易に(手軽に?)使用される傾向があると思われる.また,種々の薬剤の消化管への副作用の抑制という目的で,かなり長期間にわたり使用される機会も多いと思われる.したがって,他の薬剤と同様にその作用と副作用についてはもちろんのこと,他の薬剤との相互作用についても熟知しておく必要があると思われる.
 H2受容体拮抗薬は,臨床に登場以来15年近く経ち,最近ではプロトンポンプ阻害薬が登場したものの,依然として潰瘍や胃炎の代表的な治療薬として使用されている.潰瘍・胃炎の形成時の攻撃因子に対する治療薬として重要であり,実際に有効でもあり,その使用頻度は非常に高い.また,その副作用の頻度はその圧倒的な使用量に比べて少なく,比較的安全に使用できる薬剤として認識されている.しかしながら,一方では低い頻度ながら無顆粒球症や肝障害を始めとして重大な副作用が報告されており,よく認識しチェックしておくことが大切である.私はこの種の薬剤使用患者に対しては,症状がなくとも使用開始後2週間以内には必ず採血を含めて副作用のチェックを励行している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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