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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻12号

1996年11月発行

文献概要

増刊号 Common Drugs 350の投与戦略 消化器疾患治療薬 プロトンポンプ阻害薬

オメプラール(藤沢)

著者: 大井田正人1 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学医学部内科

ページ範囲:P.101 - P.102

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臨床薬理
●作用機序:胃酸分泌の作用機序は,胃底腺の壁細胞に存在するガストリン受容体(CCK-B/Ga),ヒスタミン受容体(H2),ムスカリン受容体(M3)にそれぞれガストリン,ヒスタミン,アセチルコリンなどの酸分泌刺激物質が結合すると,細胞内の複雑な生化学反応が活性化される.これに引き続き,胃酸分泌機構の最終的段階でプロトンポンプとして働く酵素H,K—ATPaseが活性化され,その結果,細胞内の水素イオンと細胞外のカリウムイオンが交換されることにより胃内に酸(HCl)が分泌される.本剤は,血液中から壁細胞に取り込まれた後,酸性条件下で活性体(スルフェナミド)に変換する.活性体は胃酸分泌機構の最終的段階であるH,K—ATPaseのSH基と結合して,その酵素を阻害し酸分泌を抑制する.このため,プロトンポンプ阻害薬とも呼ばれ,その酸分泌抑制作用は他剤ではみられないほど強力である.
●血中濃度モニタリング:一般的には行われておらず,臨床的には必要はない.薬物の相互作用を考えるときは,一般的に対象薬の血中濃度測定を行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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