文献詳細
文献概要
iatrosの壺
分枝鎖アミノ酸製剤とQOL
著者: 塩田哲也1
所属機関: 1国民健康保険福渡病院内科
ページ範囲:P.122 - P.122
文献購入ページに移動症例は現在72歳女性.1970年代後半から既に肝障害を指摘されており,のちに組織学的に肝硬変と診断された.1981年に肝性脳症発現のため大学病院に入院.当時,血中アンモニア211μg/dl,フィッシャー比0.85,KICG0.046であった.初回脳症から3カ月後にアミノレバンEN®の治験が開始されたが,投与2週間でフィッシャー比,窒素バランス,脳波,同年代の健常人より遅延していた反応時間などが改善した.その後も,脳症悪化で輸液製剤が使用された期間を除いてほぼ継続してアミノレバンEN®が投与されている.この患者は分枝鎖アミノ酸製剤が有効であった代表例として長く筆者の記憶に残っていたが,当地に赴任することで偶然再会することができた.最近はアミノレバンEN®2パック/dayの処方でフィッシャー比1.4,血清アルブミン3.49g/dl,総コレステロール224mg/dl程度である.
掲載誌情報