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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻12号

1996年11月発行

文献概要

増刊号 Common Drugs 350の投与戦略 消化器疾患治療薬 肝疾患治療薬

強力ネオミノファーゲンシー(ミノファーゲン)

著者: 井上和明1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院消化器内科

ページ範囲:P.151 - P.152

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臨床薬理
●作用機序:強力ネオミノファーゲンシー®(Stronger Neo Minophagen C;SNMC)は,本邦で生薬として広く用いられる甘草の成分の一つであるグリチルリチンを主成分としている.グリチルリチンとは,トリペルエノイド系サポニンの一種であるグリチルリチン酸と二分子のグルクロン酸の抱合体である.SNMCを慢性肝炎患者に投与すると,ほぼ用量依存性にトランスアミナーゼを低下させることが広く認められている.その作用メカニズムは,βグルクロニダーゼにより生成されるグリチルリチン酸がステロイド代謝酵素と拮抗し,内因性のステロイドの作用を増強して抗炎症作用を増強するものと考えられてきたが,静脈内投与されたSNMCは,腸肝循環しながら肝に取り込まれ,その一部がグリチルレチン酸となるに過ぎない.今日考えられているSNMCのトランスアミナーゼを低下させる機序は,活性化マクロファージにおけるプロスタグランジンE2産生抑制やホスホリパーゼA2の作用阻害により,炎症性のケミカルメディエーターの産生を抑制することによる抗炎症作用と考えられている.
 SNMCのもっているもう一つの薬理作用は,内因性のインターフェロンγの産生を誘起することと,NK活性を増強して免疫応答を増強する免疫応答調節作用(biological responsemodifier;BRM)である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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