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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻12号

1996年11月発行

文献概要

増刊号 Common Drugs 350の投与戦略 神経・筋疾患治療薬 脳循環代謝改善薬

サアミオン(田辺)/ケタス(杏林)/セロクラール(ヘキスト・マリオン・ルセル)

著者: 赫彰郎1 山室学1

所属機関: 1日本医科大学第2内科

ページ範囲:P.190 - P.194

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脳循環代謝改善薬とは
 脳梗塞,脳出血の後遺症として,片麻痺などの神経脱落症状のほか,意欲低下,自発性の低下,抑うつ,情緒障害などの精神症候がみられたり,頭重感,めまい,痺れ感などの自覚症状がみられることが多い.脳循環代謝改善薬は主に,こういった症状のある脳梗塞や脳出血の慢性期に投与される.脳循環代謝改善薬は脳循環改善薬と脳代謝改善薬に大別される.前者は脳血管拡張作用を有し,それにより脳血流量を増加させる.後者は脳のエネルギー代謝や神経伝達物質の調整によって脳の機能を改善する.後者では脳の代謝の改善により脳血流の改善もみられる.また,前者は脳血流の改善により脳の代謝を改善させるので,両者を明確に分類するのは困難なことが多く,両者の作用を併せもった薬剤も多い.
 脳循環改善薬が主としてめまいや頭重感などの自覚症状に有効であるとされるのに対して,脳代謝改善薬は自発性の低下や抑うつ状態などの精神症候に効果がある.投与方法は,脳循環改善薬1種類に脳代謝改善薬1種類を併用するか,脳代謝改善薬のうちから作用機序の異なるものを2種類選択することが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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