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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻12号

1996年11月発行

文献概要

iatrosの壺

気管支喘息の吸入指導

著者: 宮川洋介1

所属機関: 1久留米古賀病院呼吸器科

ページ範囲:P.220 - P.220

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 当外来では喘息,COPDの患者さんが多いため,月に1回喘息教室を開いて吸入指導およびピークフローメーターの使い方を中心とした内容の講義を行っているが,すべての患者が受講するわけではないので,外来でも吸入指導は欠かせない.吸入器を直接(β刺激薬),ないしはスペーサー(ステロイド薬,抗コリン薬)を使って,実際に患者の目の前で吸入してみせながら指導している.しかし,私が吸入するのは実際の薬剤が入ったものではなく,噴射剤のみ入ったいわゆる吸入練習用である.練習用とはいっても霧状に噴射剤は出るし,スペーサーに入れるときも「シュッ」と音がして臨場感もあり,患者さんへの説得力は抜群である.また,患者さんのなかには今までまじめに吸入しなかった人が,私が実際に吸入してみせると,練習用とは知らず「先生は私の治療のために吸入の薬を吸って指導してくれている」と感激し,心を入れ替えてしっかり吸入をするにようになることもある.その「改心」はピークフローメーター値に1〜2週後に如実に反映される.その時の充実感のために自ら吸入を続けていたが,最近になって噴射剤に過敏症になったのか,吸入中や吸入後の息止めの際に時折咳込むようになった.しかし,そこで私が咳込めば,患者さんの吸入薬に対する印象が悪くなるため簡単に咳込むわけにもいかず,涙をうっすら浮かべながら咳をこらえている.
 そろそろ実際の薬剤が入った吸入剤が必要になってきたようである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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