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文献詳細

雑誌文献

medicina33巻12号

1996年11月発行

文献概要

増刊号 Common Drugs 350の投与戦略 呼吸器疾患治療薬 第一世代交感神経刺激薬(気管支拡張薬)

ボスミン(第一)

著者: 赤柴恒人1

所属機関: 1日本大学医学部第1内科

ページ範囲:P.223 - P.224

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交感神経刺激薬とは
 交感神経刺激薬は,気管支喘息発作に対する気管支拡張薬として第一選択の薬剤である.投与方法には,吸入,経口,注射の3通りがあるが,多くは吸入で用いられる.最近では,ほとんどが携帯に便利なハンドネブライザー(MDI:metered-dose inhaler)用に作られている.気管支平滑筋は交感神経の興奮により弛緩し拡張する.交感神経刺激薬は,αとβの両方の受容体を刺激するが,気管支の拡張はβ受容体の興奮により起こる.気管支に分布している大部分の受容体はβ2受容体であり,したがつて,β受容体の刺激作用をもち,かつβ2受容体のみに選択性をもつ薬剤が最も有用である.最初に開発された交感神経刺激薬は第一世代(ボスミン®,メジヘラー・イソ®,ストメリンD®,アロテック®)と呼ばれ,α・β受容体あるいはβ1・β2受容体刺激作用を有していたため,気管支拡張作用と同時に循環系への副作用が問題であった.その後開発された第二世代(サルタノール®,ベネトリン®)はβ2選択性にすぐれ,循環系への影響が少なくなつており,現在でも治療の主役となっている.近年開発されている第三世代(メプチン®,ベロテック®)は,さらにβ2選択性にすぐれていると同時に作用持続時間が長くなっており(long-acting),1日2回投与ですむように改良されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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