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iatrosの壺
C型肝炎ウイルス陽性の晩発性皮膚ポルフィリン症におけるIFN療法の試み
著者: 竹内孝男1
所属機関: 1大阪赤十字病院内科
ページ範囲:P.236 - P.236
文献購入ページに移動 晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)はポルフィリン症のなかで最も頻度の高い疾患であり,発症の原因としてはアルコール摂取,エストロゲン,薬剤などがあげられるが,最近ではC型肝炎ウイルスとの関連性が指摘されている.われわれはPCT合併C型慢性肝疾患の症例にインターフェロン(IFN)投与を試み,PCTの病勢を検討した.
症例は61歳の男性で,昭和36年発症の尋常性乾癬が増悪して皮膚科に入院し,平成元年7月頃より出現していた褐色尿の精査目的で内科に転科.尿中δ—ALA,ポルフォビリノーゲン,便中および血中ウロ・コプロ・プロト各ポルフィリンがすべて正常であるにもかかわらず,尿中ポルフィリン体,コプロポルフィリン,便中ヘプタカルボキシポルフィリンの著明な高値,および腹腔鏡下肝生検から得られた肝組織所見,さらに紫外線照射によるポルフィリン体沈着の証明などよりPCTと確定診断し,経過観察中であった.その後の検査でHCV抗体(Ⅱ nd)陽性,HCV・RNAジェノチェック3+およびサブタイプⅢと判明.平成5年12月よりIFN—β1日600万単位を2週間連日点滴投与した.その結果,肝機能の改善はみられたが,尿中ポルフィリン体の減少傾向は認められなかった.
症例は61歳の男性で,昭和36年発症の尋常性乾癬が増悪して皮膚科に入院し,平成元年7月頃より出現していた褐色尿の精査目的で内科に転科.尿中δ—ALA,ポルフォビリノーゲン,便中および血中ウロ・コプロ・プロト各ポルフィリンがすべて正常であるにもかかわらず,尿中ポルフィリン体,コプロポルフィリン,便中ヘプタカルボキシポルフィリンの著明な高値,および腹腔鏡下肝生検から得られた肝組織所見,さらに紫外線照射によるポルフィリン体沈着の証明などよりPCTと確定診断し,経過観察中であった.その後の検査でHCV抗体(Ⅱ nd)陽性,HCV・RNAジェノチェック3+およびサブタイプⅢと判明.平成5年12月よりIFN—β1日600万単位を2週間連日点滴投与した.その結果,肝機能の改善はみられたが,尿中ポルフィリン体の減少傾向は認められなかった.
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